未来は誰にもわからないし、見えません。でも、日本の人口は、今後少なくとも数十年の間は減少していくことが確実となっています。

人は、子どもが生めるように成長するまで20年近くかかることもあり、仮に現在の出生率が向上した場合、その影響は数十年後に大きく表れてきますが、短期的に人口が増えることはないからです。

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ヤスマサ
今回は、人口の統計データから、日本の現状を見てみたいと思います。今後のビジネスの観点から日本の市場を考える上でも、子ども達の未来を考える上でも重要なポイントになると思っています。
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人口が多い国と世界の人口

まずは、政府統計局のデータから2019年時点における世界の人口から見てみましょう。

統計データによると2009年における世界の総人口は約77億人となっています。

人口が最も多い国は中国であり、約14億3400万人の人口がいます。これは世界の人口の18.6%を占めていることになります。

次に人口が多い国はインドであり、約13億6600万人の人口で、世界の人口の17.7%を占めています。

これを見るといかに、中国とインドの人口が多いことがよくわかります。

また、日本は島国で小さな国だというイメージがありますが、約1億2600万人の人口がおり、世界で11番目に人口が多い国となっています。国の数は現時点で約200ほどありますので、人口の数で言うと結構な上位にいる国ではないかと思います。

特に、ある程度の人々の所得水準があり、相応の購買力があり、適切な法整備が敷かれ、治安が良く、経済活動の前提となるインフラも整っていることを考えると、これまでは世界の国々から見て日本のマーケットというのは、ビジネスの世界展開をする際に比較的重要な国に位置づけされていたと考えられます。

過去から未来にかけての世界の人口推移

次に、同じく政府の統計データから過去から未来にかけての世界の人口推移を見てみましょう。

下の表は、1950年~2050年までの世界と日本の人口推計となっています。

過去から未来の世界の人口推移

世界の人口見ると、1950年~2050年までの100年の間に、約25億人から約97億人まで人口が増える推計となっており、約3.8倍の増加となっています。恐らくですが、2051年以降も増えていくのでしょう。

一方でその間の、日本の人口見ると、1950年~2010年頃までの間は、約8400万人から約1億2800万人まで人口が増えましたが、その後は減少に転じ、2050年の時点では約1億200万人となっています。

将来のことは分からないというのが普通ですが、人口に関しては、世界の人口が増え続けるのに対し、日本の人口は減り続けることがほぼ確定しています。

これまでの日本は、法整備がなされ、治安が良く、ある程度の人口もおり、ある程度の購買力がある市場として有望な国に見られていたと思いますが、既に、そのような国ではなくなっているということが容易に想像できます。

過度に悲観的になる必要はないかと思っていますが、今後はグローバル企業の日本進出も減り、現在日本に進出している外国企業の撤退も増えていくのではないかと思います。

これまで使っていた外国の商品やサービスが、いつの間にか日本では見かけなくなってしまうことも今後増えてくると予想されます。

過去から未来にかけての人口推移

続いて、1970年~2095年までの日本の人口推移を見てみましょう。

ご存知の通り日本の人口は今後どんどん減り続けていくことが確定しています。

2020年には約1億2500万人いた人口が、75年後の2095年には約6300万人まで減少するという推計になっています。

この75年の間にほぼ人口が半減するという予測は驚きです。

特に、いわゆる団塊の世代という方々が高齢になってきているので、2030年以降に人口減少のスピードが加速することが見込まれています。

このデータを見ると、今後日本においてどのようにビジネスを展開していくのか、また10年後、20年後、30年後をどのように見据えていくのか、というのは非常に考えさせられるものがあります。

日本における年齢層別の人口構成比

続いて、日本の年齢層別の人口構成比を見ていきましょう。

上の表は、各年の推計人口における、「0~14歳(年少人口)」「15~64歳(生産年齢人口)」「65歳以上(老年人口)」の構成比を示したものです。

2020年においては、

  • 0歳から14歳の年少人口の割合が約12.0%
  • 15歳から64歳の生産年齢人口の割合が約59.1%
  • 65歳以上の老年人口の割合が約28.9%

となっています。

年少人口で見ると、1970年は約24.0%であったのが2020年には約12.0%になっており、0~14歳の子どもの割合が半分になっていることがわかります。

また、主に働くことで経済を支え、かつ消費の中心となる層である、15~64歳の生産年齢人口の割合も過去から現在にかけて低下しており、今後もその割合は低下していくことが見込まれています。

64歳までの人口の割合が減少した分だけ、今後は65歳以上の老年人口の割合が増えていくことが確実となっています。

都道府県別の人口

続いて、日本の都道府県別の人口を見ていきましょう。

下の表は、2019年における都道府県別の人口推計となっています。

ご存知の通り、東京が1390万人と突出して人口が多いです。また周辺の神奈川県、埼玉県、千葉県の人口も多く、この4つの都と県で約3,670万人となっており、人口の約29%を占めています。

また、大阪を中心とした関西圏(大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)の人口は約2,050万人となっており、人口の約16%を占めています。

東京を中心に、都市部に日本の人口が集中していることが見て取れます。

各都道府県における年齢層別の人口

続いて、各都道府県における年齢層別の人口を見ていきましょう。

上の表は、2019年における、都道府県別の「0~14歳(年少人口)」「15~64歳(生産年齢人口)」「65歳以上(老年人口)」の人数を示したものです。

これを見ることで、各都道府県別にどれだけ高齢化が進んでいるのかを確認することができます。

65歳以上の方の構成比が高い順から、秋田県、次に高知県、山口県となっています。一方で、低い順から見ると、沖縄県、東京都、愛知県となっています。

傾向的には、人口の多い都道府県ほど65歳以上の方が占める割合が低くなっており、都市部には、仕事を求めて若い方が住んでいるということがわかります。

都道府県別の合計特殊出生率

最後に都道府県別の合計特殊出生率を見ていきましょう。

合計特殊出生率は、1人の女性が生涯に産むことが見込まれる子供の数を示す指標になります。

子供が生まれるためには、男女1人ずつ2人の親が必要になるため、将来的に人口が増えていくためには、少なくとも合計特殊出生率は2を上回らなければなりません。

現在、人口が減らないための合計特殊出生率は概ね2.07と言われていますが、2019年における合計特殊出生率の全国平均は1.36となっており、この数値からも、今後も人口が減り続けることが確実となっています。

まとめ

人口だけで見ると、日本には明るい要素はあまりありませんでしたが、この現実を知った上で、今後の未来を想像し、今日以降の自分の行動を少しずつ変えることはできると思っています。

今後日本人が生きていく環境は驚くほど大きく、早く変わっていくことが見込まれるので、変化を恐れることなく、常に変わっていく姿勢が必要と考えています。