事業を始めるにあたって、最初は設立費用が安い合同会社で会社を作ったけれども、会社が成長するにつれて「株式会社にしたい!」と考える方も多いと思います。
今回は、私も同じく、合同会社から株式会社へ変更したいと思い、その手続きのために、実際に自分で官報公告を出してみた際のお話です。
そもそも官報公告って何のためにするの?
「官報(かんぽう)」という言葉ぐらいは、なんとなく聞いたことがあるような気がするけど、多くの人は官報自体を見たことがないかと思います。
そもそも官報は、政府からの公的な情報を国民に広く伝えるために、1883年に創設された制度のことで、創設後約140年ほど経った現在においても、まだ活用されています。
昔は、インターネットなどの手段がなかったため、公的な情報を広く国民に知らせるための手段が必要だったのは理解できますが、インターネットに誰でもアクセスできるようになった今においても、その制度が運用されているというのは驚きですね。
こんな「官報」ですが、会社を作ると、ちょこちょこ公告を出すケースに出くわします。
例えば、会社の資本金を減らす場合、会社を解散する場合、本記事のように合同会社から株式会社に変更する場合などです。
これらのお知らせは、その会社と取引のある人にとっては、重要なお知らせになるので、「官報」に載せないと実行できません、ということが法律で定められています。
上記以外にも公告が法律上で求められるケースがたくさんあります。
官報公告って自分一人でできるの?
結論から言うと、官報公告は、かなり簡単に自分一人でできます。
やることは、ざっとこんな感じです。
- 官報取次店などのHPにある、公告文のひな型をダウンロードし、自社に合わせて修正をする。
- 官報公告の取次店にオンラインで申込む(郵送やFAXなどでもいけるようですが、ネットからの申込みが便利と思います)
- 官報掲載の取次店から上がってきた原稿を確認し、OKならお金を支払う(お金を支払うタイミングは取次店によって異なるかもしれません)
- あとは官報に公告が掲載されるのを待つだけ
やったことがない場合には、とても大変そうな雰囲気を持ってしまうかもしれませんが、実はとても簡単です。
官報公告の掲載料金は?
官報の掲載料金は、全国一律の料金で、公告の内容が同じであれば、どこの取次店でも違いはありません。
ただ、金額は法人の種類、公告の種類、掲載の仕方によって異なってきますので、詳しい料金体系は以下のリンク先でご確認ください。
https://www.gov-book.or.jp/asp/Kanpo/KanpoPrice/?op=1
本記事は、合同会社から株式会社への組織変更のための公告の料金となりますが、この場合は1行あたり3,589円(本体3,263円+消費税326円)の公告となり、最低でも9行が必要となりますので、3,589円×9行=32,301円かかります。
実際に官報の取次所から頂いた請求書がこちらになります(なお、消費税の計算方法の違いで2円の差異がありますが、、)。
馴染みのない方に「行」ってわかりにくいと思いますので、以下に実際の原稿を見て数えてみますね。
赤字で行数をカウントしましたが、縦に9行文章があり、その行数分の紙面を取ることになるため、行数×単価の料金がかかるということになります。
恐らく詳細に官報に情報を記載したい、と思う方は少ないと思うので、いくつかのサイトで、最小の文例を簡単に調べてみるのがよいと思います。
官報公告のひな型はどこにあるの?
官報に公告を出すためのひな型文案ですは、官報の取次店のHPにいけば簡単に見つかります。例えば、以下のリンク先のような感じです。
https://www.gov-book.or.jp/asp/Koukoku/GenkouList/?op=1&kt=1
https://kanpo.net/koukoku2019/houtei/houtei01.html
自分が出したい公告に合わせて、掲載行が最小となるものを確認してみてみるとよいです。
依頼する官報公告の取次店の決め方は?
官報の公告に関しては、料金が全国一律なので、料金面では全く差がありません。
また、オンランでの申込み、原稿確認などができるため、その意味でもどこの取次店に依頼しても同じです。
料金面で差がないため、どこの取次店でお願いするのかを悩むかもしれませんが、私は、HPでの情報提供がしっかりされていた取次店で依頼させて頂きました。
恐らく、その取次店もオンラインでのやり取りに力を入れているため、オンラインでのやり取りがスムーズに進むだろうと思ったからです。
結果として、とてもスムーズに進み、日曜日の夜に申込み→月曜日にメールで原稿確認&内容確定→火曜日に振込で料金支払い→6日後の官報に掲載、という流れで進みました。
実際に取次店にオンラインで申し込んでからは、原稿案の確認、メール2通ほどのやり取り、振込のみで、合計30分ほどで掲載までたどり着きました。
まとめ
私も、実はこれまでは司法書士さんに登記申請とセットで官報公告をお願いしていたため、自分一人で官報公告を出したことがありませんでしたが、一度なんでもトライしてみようと思い、官報公告+登記申請にチャレンジしてみました。
そもそも官報の出し方、料金、ひな型が簡単に探せることなどを知らなかったので、ここに記載しているような前提知識を調べるために1-2時間ほどかけましたが、それさえ知っていれば、官報公告は手間をかけることなく出すことができます。
ぜひ皆さんも一度自分でトライしてみてください。